80/100名山めぐりも少しずつ自分のスタイルができてきました。スタイルといっても大したもんじゃありません。
◯前夜に移動して車中泊
◯早朝スタート
◯ほぼコースタイム通りのペース
初心者ですから、当たり前かもしれませんね。

 さて、9月16日から3日連続で福島北部周辺の山を登ります。その初日は西吾妻山。ロープウエーとリフトを乗り継ぎ、かなり上まで楽に連れて行ってもらえるので、お手軽な山と言えます。鳥海や大朝日に比べると、気持ちもゆとりが出ますね。いや、油断しちゃいかん。山を見くびってはいけません。

雨模様でリフト活用を選択

平日はリフト、手拭い、ソフトドリンク、風呂付きでこの値段

 いつものように前日の明るいうちに登山口に到着。駐車場はガラガラなので、陽に当たらないだろう場所を選んで停めます。(大抵は南側の木の下あたりを選択)さっそくロープウエー乗り場に行って情報収集。おやっ?ロープウエーの本体がない・・・。普通はつるべ式につながっているので、一台は山麓、もう一台は山頂駅に止まっている筈なのに、山麓駅には一台もありません。
 スタッフの話によると、突風に煽られて支柱に激突したらしい。お客さんは乗ってなかったようだけど、係の人、怖かっただろうな。

米沢日報デジタルに記事が出てました

 西吾妻登山の予定は、ロープウエーもリフトも使わず「若女平」経由で一気に山頂を目指すというものです。が、どうやら翌日は雨模様であることと、「ロープウエー区間送迎、リフト往復にドリンク・入浴・記念手ぬぐいがついて3000円」というキャンペーンに目が釘付けになり、「無理しないで使えるものは使おう。」と前夜のうちに決定。(この時点でお空はいい天気)
 こちらのセットは、平日だと1500円という「もってけドロボー状態」の叩き売りをしています。でも、残念ながらロープウエーが入院している今期だけのキャンペーンみたいです。スタッフの話だと「健康長寿推進なんちゃら事業」として補助金をもらって運営しているのだと。税金の使い道としては賛否があるでしょうが、恩恵を受けた身としては来季も存続してほしいと願います。

 前置きがやたらと長くなりましたが、ようやく9月16日の朝。バンタイプの後部座席を倒し寝袋で寝ているのだが、あまり寝心地が良くなく、時々目を覚ましてはまたウトウトしてるうちにいつの間にか朝。霧雨です。
 しばらくすると、雨は少しずつ強まってきて、登山そのもをどうするか迷うところです。ロープウエーのスタッフさんと話をしているうちに、早朝に出発したグループも引き返してきました。(長崎から来てるグループでした。)ますます「今日はやめとこうか。」に気持ちが揺らぎます。いくら手軽な山とはいえ、登ればそれなりに苦しいわけで、一度止める方向に気持ちが揺らぐとなかなか戻れません。
 そうやってぼやぼやしていたら、小さな子供(一番下は小3)を連れた家族が普通に切符を買っているではありませんか。「山頂まで行かないで、途中で戻ります。」とのこと。その家族(の中の小さな子)に背中を押され、ここでようやく決行となります。

 920m地点からロープウエー区間はスタッフの送迎車で登り、そこからリフトを3つ乗り継いで1820mまで一気に標高を上げていきます。2035mの西吾妻山頂まで残り200mちょっと。こんなに楽でいいのでしょうか。

ロープウエー区間は車で送迎
楽ちんです 登山と言えるかって? いいんです。

奇跡的に雨は降らず

安全の鐘を鳴らしてスタート
ひとつしか鳴らせなんだ。
霧で濡れてる。
少し登ればあとは木道。

 リフト最終駅の北望台で鐘を鳴らして登山道を出発。いかにも火山ですと言いたげな「かもしか展望台」というミニガレ場を通過し、木道を一旦降りて「大凹」に向かいます。大凹は、その名の通り窪んだところで、池塘が点在する気持ちの良い場所。ここを越えるとすぐに水場が現れます。

エゾミヤマリンドウが旬でした。
大凹の水場。

 水場からは唯一と言って良さそうな急登が待っています。いえ、急登というほど急でもなく距離もちょっとなのですが、いままでの緩斜面に比べるとちょっと歯ごたえがある場所です。所々、一段がずいぶん高い場所もあり、下りが大変そう。(あくまでも、初心者の感想です。)
 そんな急登もすぐに終わり、「梵天岩」そして「天狗岩」の岩場を通過し、再び下り、そして少し登り返すと「西吾妻山頂」に到着です。

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このあたりで骨折事故多発してるとか。割と急です。
梵天岩。帰りにここで転んだ。
一応、小屋まで行ってみました。

 山頂は、眺望ゼロ。木が生え放題の平べったい山ですから。

 山頂では長居をせず(というか、長居したくない)天狗岩まで戻って昼食タイム。(こっちの方が山頂っぽい)雨に降られることもなく山頂まで到達したので気分は上々です。やめないで良かった。

山頂は眺望ゼロ。誰もいない。

すべって転んだ

 楽な山だと油断してると神様はちゃあんと見てるものですね。転んじゃいました。場所は「梵天岩の真下」左下がりの岩場を歩いているところで左足が滑ってしまった。あれよあれよと体は山側の方へ横向きに倒れ、岩にほっぺたを強打。
あわてて打った場所を手で触ると、うわー、血が出てる・・・。でも、手足に問題はなさそう。ほっぺたも血が出てるだけで骨に異常はなさそう。でも、右あごを押すと痛い。
 でも、きっとこれで良かったのです。あのまま油断満載のお花畑状態で先に進んでいたら、急登の下りでやらかしたかもしれません。神様ありがとう。

 もちろんここからは慎重の上にも慎重に歩き、急登を無事通過。大凹で休んでいた団体さんに「転んじゃいました。滑るから気をつけて下さい。」などと声をかけながらゆっくりゆっくりと戻り、無事に北望台に到着。リフトを乗り継いで下山しました。

 リフトを降りたら天元台ロッジで入浴。その場で手ぬぐいももらって食堂でドリンクサービス(ソフトクリームをチョイス)。途中転けてしまいましたが、致命傷になることもなく、まずは上々の1日と言えましょう。

 さて、翌日は安達太良山です。山麓まで移動して車中2泊目です。

チケットは風呂付き(誰もいなかったので写真パチリ)
ソフトクリーム付き(少し小さめ?)
記念の手拭い付き。

ロープウエースタッフさんのお話より

 近年の百名山ブームで、西吾妻山も登山客が増えてきたそうです。一般に西吾妻山は「10番目に登りやすい百名山」と言われているようで、手軽な山というイメージで登りに来る人も多いそうです。
 それが悪いというのではないけれど、あまり経験のないお年寄りも多く、特に梵天岩に向けた急登で骨折などの大けがをする人も毎年いるそうです。スタッフとしてはお客さんが多いことはうれしいのですが、最低限の山の知識と備えをしっかりしてきてほしい。
 こんな話でした。自分自身もそのブームに乗っている身ですから耳の痛いお話です。(しかも今回すべって転んでる。)

 山に「絶対安全」はないということを、改めて肝に銘じたいものです。

 それからもうひとつ。リフトの番号が全部偶数だったので、「どうしてですか?」と聞いてみたら、夏場は客が少ないので奇数のリフトはお休みだそうです。また、冬に比べて夏はリフトの速度を遅くしているとのこと。確かにスキーなら早くてもすいーっと降りれるけど、夏なら急いで避けないと大変ですからね。

お休みしてる奇数番号のリフトたち

 本日の日程
9:00 リフト終点
10:00 梵天岩
10:40 吾妻山頂
11:20 梵天岩(転んで顔がプチ流血)
12:00 リフト乗り場

ホントはかもしか展望台、西吾妻小屋経由なんだけど、コース記録できなかったので近似値です。
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